研究実績の概要 |
本研究の目的はニューロフィードバックにより脳の位相同期制御を行い, 位相同期の機能的・因果的役割を明らかにすることである. ニューロフィードバックは被験者の脳活動を視覚刺激等にして見せ, 自らの意思で脳活動を制御することである. ニューロフィードバックによる脳の位相同期制御はこれまで行われておらず, 本研究が基礎的な知見となる. さらに, 今まで行われていなかった脳活動の位相同期の因果的役割に関する研究を促進できる. 今年度は予備実験を繰り返し, 実験パラダイムを決定し, さらに本実験を行い, ニューロフィードバック時の脳波データの取得を行った. ニューロフィードバックによる位相同期制御実験の前に位相同期制御の評価のためにBimanual movement taskを行った. Bimanual movement taskは左右の人差し指を同時に動かすあるいは交互に動かす課題である. ニューロフィードバックによる位相同期制御実験では被験者に縦長のバーを伸ばしてもらう課題を行う. このバーの長さは脳の位相同期度に連動して伸縮するしくみである. ここで, 2つのグループを用意し, 比較を行う. 1つのグループは位相同期度が高いほどバーが長くなるグループ, もう1つはコントロールグループとして位相同期度が低いほどバーが長くなるグループである. この位相同期の制御を5日間行った. 複数被験者で行い, ニューロフィードバック時の脳波データおよびBimanual movement task時の脳波データを測定した.
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