研究課題
特別研究員奨励費
本研究目的はカンドルシャドウコサイクル不変量と有限型不変量の関係について明らかにすることである。有限型不変量の条件を弱めたquasi finite type invariantを定義し2橋絡み目やトーラス結び目のカンドルシャドウコサイクル不変量からquasi finite type invariantを導くことに成功した。さらに、絡み目を二重分岐被覆させた空間のダイグラーフ・ウィッテン不変量の値はその絡み目のカンドルシャドウコサイクル不変量に群環内の群の元による掛算を除いて等しいことが先行研究として明らかになっているので、一般の3次元多様体の有限型不変量(大槻型不変量ではない)に拡張される。ここで、一般の3次元多様体のd次の有限型不変量とは、1.フィルトレーションをM_{d+1}に制限すると0の値をとる。2.各dについてd次の有限型不変量全体の空間は有限次元である。デーン手術の成分数を用いて定義したのが大槻型不変量であったことを考えると一般に自然な定義である。さらに2.を示すのに写像類群を用いた全く新しい証明方法を導入した。それは多様体をヒーガード分解した時にヒーガード図式にあらわれるリコリッシュジェネレータの数は有限個であることに着目した。トリビアルカンドルとその整数値に値を取るコサイクルを用いて計算したカンドルシャドウコサイクル不変量はパラメータtにeのh乗を代入してhでべき級数展開した時にhのd乗の係数はd次の有限型不変量であることを示した。これは絡み目に対して計算上意味のあることだが、その絡み目の絡み目数があらわれる。トリビアルカンドルというとても条件が厳しいカンドルであるのでもっと一般的なカンドルに拡張できないか研究中である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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TOKYO JOURNAL OF MATHEMATICS
巻: 38 ページ: 331-337
Tokyo Journal Mathematics
巻: 38
Journal of Knot Theory Ramifications
巻: 23 号: 08 ページ: 1450043-1450043
10.1142/s0218216514500436