研究課題
特別研究員奨励費
予察的に進めていたドーソナイトの合成実験において,そのほとんどの条件でドーソナイトの生成が確認されず実験の進展という観点からは十分な進展が得られなかった.しかし,実地調査と合成実験の結果から,ドーソナイトは炭酸水素塩泉のような流体によってもたらされた可能性が示唆された.CO2貯留層内で上記のような条件が達成されるのは,注入されたCO2が岩石との反応しながら帯水層内に広まっていく先端部 (リアクションフロント) であると考えられる.長期にわたってドーソナイトが貯留層内で保存されるかという点については今後さらなる検討が必要である.平成26年度は,CO2の地中貯留というテーマに加え,一連の研究で蓄積してきた水‐岩石反応実験のノウハウを“海底鉱物資源の製錬”へと応用し,一定の成果を得ることができた.レアアースに富む海底堆積物 (レアアース泥) の製錬に希酸を用いた化学リーチングを適用し,1. 塩酸や硫酸などの酸溶液,2. レアアースを抽出するのに最低限度の酸濃度,3. 5分程度の反応時間,4. 常温領域,という条件下でレアアースの大部分が回収可能であることを示した.さらに,酸溶液として硫酸を用いた場合には,カルシウム硫酸塩とレアアースの共沈およびレアアース‐ナトリウム硫酸複塩の沈澱により抽出率が大きく低減する可能性のあることを明らかにした.現在はCO2やシュウ酸を用いたレアアース泥の製錬手法について検討を進めており,“様々な分野への発展”という本申請研究の特色を十分に活かし研究の対象領域を広げている.
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)
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巻: 未定
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