研究課題
特別研究員奨励費
本年度は主にMassachusetts Institute of Technologyにおいて研究活動を行った。新規のモリブデン錯体の合成に成功し、水素源と還元剤を加えることによって大気中の窒素を解離し、温和な条件下でアンモニアを合成する性能があることを示した。そして、反応条件を最適化することで、化学量論比に留まらず、アンモニアが触媒的に合成できることを証明した。また、その新規モリブデン錯体に類似する錯体触媒を合成し、同様にアンモニア合成能があるか無いかを調べた。そして重要な点として、触媒的なアンモニア合成が生じる触媒と、生じない触媒を比較することによって、本研究において合成された新規触媒が、古くから研究されてきている非常に汎用性の高い反応経路によってアンモニアを合成していることを示唆する結果を示した。これまで、温和な条件下での触媒的アンモニア合成は、世界中で3グループしか成功していない。これは、アンモニア合成が非常に特異的な機構でしか合成できず、その機構を発現する触媒が限定的で、機構自体を発現させることが非常に難しかったためである。しかし、今回の発見で汎用性のある反応機構での温和な条件下におけるアンモニア合成が証明されれば、飛躍的にこの分野の研究が進む可能性がある。この他に、Ru金属間化合物触媒について、新たに触媒合成条件を最適化することで、Ru金属よりも300倍のアンモニア合成活性があることを示した。アンモニア合成の触媒には、活性中心に対する電子供給が大きいことが重要であるが、これまで報告されてきたRu触媒では、電子供給を実験的に確認することができずにいた。それに対し、本研究でのRu金属化化合物の電子供給の程度は大きく、初めて観測することに成功した。これより、前述した高活性が大きい電子供給に起因すると推察できるデータを示した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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