研究課題
特別研究員奨励費
統合失調症の発症機序には、周産/新生仔期における神経細胞や神経回路網の発達障害が原因であるとする神経発達障害仮説にもとづき、その機序解明およびprostaglandin E2(PGE2)の役割解明を目指している。本年度は、実験計画③周産/新生仔期におけるPGE2暴露によるストレス・精神異常発現薬に対する脆弱化、④周産/新生仔期におけるPGE2暴露と遺伝的要因との相互作用についての研究に取組んだ。③の研究においては、昨年度までの成果により様々な環境的要因の負荷に共通して関与するPGE2の新生仔期における投与と、精神異常発現薬であるフェンシクリジン(PCP)の若年期における複合投与は、精神学的行動異常を惹起すること、その精神学的行動異常にはグルタミン酸作動性神経系関連タンパク質の変化が関与していることを見出した。④の研究においては、統合失調症の感受性遺伝子の一つであるDisrupted-in-schizophrenia 1(DISC1)変異遺伝子過剰発現マウスにおいて、新生仔期にPGE2を投与すると、成体期において雌マウスのみに精神学的行動異常が認められることが示された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
Neuropsychopharmacology
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Hum. Psychopharmacol.: Clin. Exp.
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