研究課題
特別研究員奨励費
覚醒時と睡眠時における長距離軸索投射を用いた大脳皮質の情報連絡についての研究を進めた。当研究をScience誌に前年度に投稿し、前年度から今年度にかけてリバイス実験及び解析を行い、受理された。リバイスにおいては、オンライン自動睡眠判定を用いた刺激の正確性や、断眠時におけるデルタ刺激による記憶の向上について確認した。床面認識課題の海馬依存性について検討するために、理化学研究所・脳科学総合研究センターMcHugh研究室と共同研究を行った。海馬の出力領域となるCA1領域からの出力を抑制するために、CaMKIIα-Creマウスの海馬にAAV-Flex-mCherry又はAAV-Flex-TeTX-mCherryを注入した。TeTX (テタヌストキシン) により軸索終末からの神経伝達物質放出を抑制できる。TeTXが機能しているかどうかをVAMP2の免疫染色により確認した。Subiculum領域におけるVAMP2の発現はAAV-Flex-TeTX-mCherryの注入により減少した。以上よりTeTXが海馬CA1領域からの出力を抑制することを確認した。そして、各種行動試験を用いて、海馬CA1領域からの出力の抑制が行動に与える影響を検討した。海馬CA1領域からの出力の抑制は海馬依存的である物体位置認識試験及び文脈依存的恐怖条件付け試験における成績を低下させたが、床面認識課題には影響を与えなかった。これらより、床面認識課題は海馬非依存的であると考えられる。また、プラスミドを用いて目的遺伝子をマウスに導入するために、理化学研究所脳科学総合研究センター下郡研及びウィスコンシン大学マディソン校よりインウテロエレクトロポレーションを習得した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Science
巻: 352 号: 6291 ページ: 1315-1318
10.1126/science.aaf0902
巻: -
Neuroscience Research
巻: 103 ページ: 1-9
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