研究課題
特別研究員奨励費
平成27年度の研究では、低酸素環境での滞在や運動に伴う食欲に関連するホルモンの分泌応答や主観的食欲の変化を検討することを目的とした。この研究の実施によって、低酸素環境での食欲調節の様相を明らかにし、低酸素環境でのトレーニングの効果を詳細に説明するところまでをエンドポイントとした。実験1では、低酸素環境での滞在に伴う食欲調節の変化を検討した。健康な男性8名を対象に、1.通常酸素環境(酸素濃度20.9 %)で安静にする条件、2.低酸素環境(酸素濃度15.0 %)で安静にする条件の2条件を設け、異なる日に実施した。対象者は各酸素環境における7時間の安静中に2回食事を摂取した。測定中には、採血および主観的食欲の調査を経時的に行った。その結果、いずれの測定項目においても条件間で有意な差は認められなかった。上述の結果は、低酸素環境での滞在は食欲調節に関わるホルモンの分泌応答や主観的食欲に影響しないことを示すものである。実験2では、低酸素環境での運動に伴う食欲調節の変化を検討した。過体重の男性8名を対象に、1.通常酸素環境(酸素濃度20.9 %)で安静にする条件、2.通常酸素環境で運動する条件、3.低酸素環境(酸素濃度15.0 %)で安静にする条件、4.低酸素環境で運動する条件からなる4条件を設け、異なる日に実施した。安静の条件では、各酸素環境における7.5時間の安静中に、食事を3回にわたって摂取した。これに対して、運動の条件では、各食事の直前に、各酸素環境で測定した最大酸素摂取量の60 %に相当する強度での30分間のペダリング運動を行った。測定中には、採血および主観的食欲の調査を経時的に行った。その結果、いずれの測定項目においても条件間で有意な差は認められなかった。上述の結果は、低酸素環境での運動は、食後における食欲調節に関わるホルモンの分泌応答や主観的食欲に影響を及ぼさないことを示すものである。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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