研究課題
特別研究員奨励費
研究の目的本研究では、特殊アミノ酸(Xaa)を付加した各アミノアシルtRNA(Xaa-tRNA)と翻訳伸長因子EF-Tu間の結合力を調整することで、Xaa導入に特化した試験管内ペプチド合成系を開発し、10種以上のXaaを含むペプチドの翻訳合成を実現する。さらにその翻訳系を応用してペプチド薬剤スクリーニングを行い、多数の人工修飾により優れた生理活性を獲得した新規特殊ペプチド薬剤を開発することで、本戦略の意義を実証する。DC1第三年度の研究概要(1)Xaa含有ペプチド翻訳合成に特化した試験管内翻訳系の確立。Xaa-tRNAのEF-Tu結合力を天然AA-tRNAと同等の値に調整した条件下で、翻訳反応の様々な条件(反応時間、Xaa-tRNA濃度、EF-Tu濃度、pHなど)の最適化を行った。結果として、モデルペプチドの翻訳効率および正確性が大きく改善され、Xaa含有ペプチド翻訳合成に特化した試験管内翻訳系が確立された。(2)本戦略によるXaa含有ペプチド翻訳合成の改善を実証。次に本戦略の効果を調べるため、複数種のXaaを含有するモデルペプチドの翻訳合成について、既存の改変型翻訳系と本研究で確立されたものの2つを比較検証した。既存の翻訳系による合成は不正確であり、多種の翻訳エラー産物が生成されたのに対して、本研究の翻訳系では望みのペプチドが正確に合成された。また定量実験の結果、合成効率も改善されていることがわかった。(3)本研究のまとめ。Xaa-tRNAとEF-Tuとの結合力を調整する本戦略により、複数種のXaaを含有するペプチドの翻訳合成が可能となる。この技術を既存のペプチドスクリーニング手法と組み合わせることで、将来的に革新的ペプチド医薬品の開発につながると期待される。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件)
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