研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、当初の計画から方針を少し変えて、人型ロボットによりRaPIDシステム(菅研究室で開発された、標的蛋白質に高い結合力を有する環状ペプチドを素早くスクリーニングする技術)を自動化することで、RaPIDシステムによる新規環状ペプチド探索の効率化、加速化を目的とした。(1)人型ロボットのセットアップおよび(2)人型ロボットによるRaPIDシステムによる新規環状ペプチドのスクリーニングの2つを具体的な目標とした。以下にそれぞれの研究実施状況について示す。(1)は、研究室に導入した双腕人型ロボットが実験を行うためのプロトコール作成、およびロボットの動作に関する各種パラメーターの最適化を行った。人型ロボットは、人が行っている実験を模倣して行えるように開発されたが、RaPIDシステムで求められるような精密かつ複雑な実験での応用例はなかった。実際、動作をプログラミングし実験を行ったが全く良好な結果が得られなかった。そこで、ロボットの性能に合わせた独自のプロトコールの作成を行い、さらに各実験操作ごとに人での実験結果と比較しながら動作の最適化を行うことで、人の実験と遜色ない結果を得ることに成功した。(2)については、4種類の蛋白質(TET1、Smurf2、MET、Akt2)を標的蛋白質として選択し、ロボットを用いてRaPIDシステムによる環状ペプチドのスクリーニングを行った。それぞれの標的蛋白質に対して、複数の環状ペプチドが同定された。TET1とAkt2に対して同定された環状ペプチドは、標的蛋白質への結合だけでなく阻害活性を示すことも明らかとした。Smurf2およびMETに対して同定された環状ペプチドも、それぞれの標的蛋白質に対して高い結合力を示すことを明らかとした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
Catal. Sci. Tech.
巻: 6 号: 15 ページ: 5806-5811
10.1039/c6cy00630b