研究課題
特別研究員奨励費
私たちは仕事や勉強において、パフォーマンスを上げる事でよりよい成果を出すことが求められており、またそれを引き出すための金銭的な報酬や社会的な賞賛など、様々な動機付けが存在している。パフォーマンスを高めることは、私たちが有意義な社会生活を送る上で非常に重要であるが、成功するための動機付けも高く、そして実力が十分に備わっているにも関わらず成績が下がってしまう「あがり」によって実力が発揮できないことに悩むことも多い。本研究は、「あがり」の神経基盤を、金銭的プレッシャーに基づく場合と社会的プレッシャーに基づく場合の2種類を区別しながら明らかにするものである。また、本研究では特に、自らがどの程度課題を成功裏に遂行できると思うかという信念である自己効力感と、動機づけに応じて個人が目指す成績の目標が、成績の低下に影響すると仮定し検証を行った。パフォーマンスに対してよい効果をもたらすとされる動機付けという要因が、過剰となった場合にはパフォーマンスを下げてしまうという矛盾した結果に対しての理論を構築することで人間における動機付けという概念に対してより理解を深めるための研究である。平成28年度は、プレ実験を進めた結果実験パラダイムが確定し、本実験として31名の被験者のデータを取得することができ、本研究の基礎となる自己効力感の個人差に関する論文も受理された。被験者は実験条件として、自らが抱える社会的・金銭的"負債"を元に目標となる課題成績を設定すると考えられるが、被験者が設定した成績目標と自己効力感との差が、実際の課題成績に影響すると仮定した。実験の結果、プレッシャーの違いに応じてパフォーマンスの違いが見られ、自己効力感以上の成績目標を設定した高いプレッシャー下では課題成績の低下が見られ、米国神経科学学会にてポスター発表を行った。行動と脳機能データの解析を行った後、国際誌へ論文を投稿予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Neuroreport
巻: 27(18) 号: 18 ページ: 1350-1353
10.1097/wnr.0000000000000702