研究課題/領域番号 |
14J09915
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎(実験)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西口 大貴 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2016年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2015年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2014年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | アクティブマター / 自己駆動粒子 / 集団運動 / 非平衡物理学 / ゆらぎ / バクテリア / 非平衡統計力学 / 秩序形成 / コロイド / ヤヌス粒子 |
研究実績の概要 |
アクティブマターの集団運動の普遍的性質を追究するために、遊泳バクテリア懸濁液をモデル系として実験をおこなった。 昨年度までに実現に成功していた「バクテリア集団運動の長距離ネマチック秩序相」の解析を緻密化した。具体的には、この長距離秩序相が巨大な粒子数揺らぎを示すこと、そしてバクテリアの向きの空間相関関数が冪的な振る舞いを示すことを確認した。これにより、本実験系が、20年以上前に理論的に予言されていたクラスの集団運動の初めての実現であるという確証を得た。また、個々のバクテリアの衝突による相互作用を定量的に評価するために、希薄な条件下でのバクテリアの2体衝突イベントを多数撮影した。衝突前後のバクテリアの向きの変化の統計を、Boltzmann方程式を用いて定量的に解析した結果、2体衝突のレベルでは長距離秩序相への相転移は説明できず、高密度での多体衝突や連続的な衝突が重要であることが明らかとなった。これらの結果は投稿論文としてまとめ、Physical Review E誌に投稿し、Rapid Communicationとして掲載された。 この成果は、非平衡条件下で駆動する粒子の多体現象の代表例としての「アクティブマターの集団運動」に関する数多くの理論研究の実験的基礎となるものである。また、本実験系と既存の実験系や自然界の群れ運動を比較することで、その理論的普遍性が発現する必要条件を示唆することができたため、今後の理論研究や実験系の新たな設計指針・アイデアを与えることができた。 並行して、従来のバクテリアの実験系で得られていた「無秩序なバクテリア乱流」についても実験をおこない、わずかな拘束条件を課すことで、ある種の秩序を抜き出せることを実証した。 これらの結果として、バクテリア懸濁液をモデル系として、アクティブマターにおける秩序の発現とゆらぎについての理解を深化させることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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