研究課題
特別研究員奨励費
本年度は主に以下の二つの研究に取り組んだ。一つは仕事の作業者とタスクとを安全にマッチングする仕組みの研究で、もう一つは大規模なタスクを効率よく実行する仕組みの研究である。それぞれについて以下に研究成果を紹介する。i)作業者とタスクの安全なマッチング:複雑なタスクをクラウドソーシングで実行するためには、タスクが必要とする能力を持つ作業者に仕事を依頼することが必要不可欠である。またこのようなマッチングによりクラウドソーシングで流通する仕事量を最大化することができることから、大規模かつ複雑なタスクを処理可能なクラウドソーシングを目指す本研究課題に取り組む上で作業者とタスクのマッチングは本質的である。この研究では、マッチングを行うために運営会社が収集する各タスク・作業者の特徴から作業者・依頼者ともにプライバシ問題が生じることを初めて指摘し、その問題を解決するマッチング法を構築したことが貢献である。ii)大規模なタスクの効率的な実行:大規模なタスクを実行する際にはコストの問題が重大である。本研究ではなるべく省コストで大量のタスクを実行するために、能動学習と呼ばれる枠組みを応用した仕事の依頼方法の開発を行った。本研究では特に知識ベースと呼ばれる機械学習・自然言語処理・対話の研究で重要な役割を担う大規模なデータセットをクラウドソーシングで効率的に構成する問題に取り組んだ。本研究で開発した手法は、これまで得られた仕事結果を元に未依頼の仕事の結果を予測する予測器と、その予測精度を高めるために依頼すべき仕事を選択する仕組みから成る。予測器の学習と仕事の選択を交互に繰り返すことで、より少ない依頼回数で高い予測精度を実現することができる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Data Mining and Knowledge Discovery
巻: 28 号: 5-6 ページ: 1314-1335
10.1007/s10618-014-0352-3