研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は,ストロマトライトの生物起源性を評価する組織的・化学的指標を見出すことである.その指標は,モダンアナログの一つである温泉のストロマトライト堆積場で,モデル微生物を制定し組織の合成実験を行うことで調べ,最終的には太古試料へ適用する.平成28年度は,前年度からの分析結果を取りまとめ,以下の3項目の研究を進めた.1)温泉試料:インドネシア共和国スマトラ島北部の2箇所の温泉おいて,硫黄酸化細菌・非酸素発生型光合成細菌・酸素発生型光合成細菌を主体とする微生物マットを伴う炭酸塩堆積物が分布しており,調査の結果,ストロマトライト組織は非酸素発生型・酸素発生型いずれかの光合成細菌が卓越する場所でのみ発達することが明らかとなった.協力研究者と共にそれぞれの堆積場の地球微生物学的な記載内容を取りまとめ,国際学術雑誌と国際学会にて成果を発表した.2)深海試料:初年度より調査を行ってきた南部マリアナのしんかい湧水域で発達する炭酸塩・ブルーサイトチムニーの鉱物組成,堆積組織,炭素同位体組成,現場での観察結果からチムニーの発達過程を考察し,内部に局所的にストロマトライト組織が発達することを学術論文に取りまとめ,発表した.3)温泉での現場実験:鹿児島県妙見温泉では,堆積場に日光を遮る流路を作り,シアノバクテリアの働きのない条件でできる堆積物を成長させる実験と,シアノバクテリアが優占する円錐形の微生物マットの形成に関わる生物的条件を検討する実験を行った.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 2014 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Geochemistry, Geophysics, Geosystems
巻: 17 号: 9 ページ: 3775-3796
10.1002/2016gc006449
Sedimentary Geology
巻: 343 ページ: 85-98
10.1016/j.sedgeo.2016.07.012
地球科学
巻: 未定