研究実績の概要 |
平成29年度は4月からの4ヶ月のみが対象期間であったが、それ以前になされた研究が論文として刊行され、また学会でも発表された。また、当該期間に継続してなされた研究は論文としてまとめられ、2018年初頭に学術書におさめられ刊行された。具体的な業績は以下の通りである。 論文「フランシス・ベイコンと改革の精神」東京大学宗教学年報XXXIV 2016 (2017年4月刊行) 学会発表「フランシス・ベイコンと改革の精神~宗教改革と近代~」日本宗教学会第76回大会 (2017年9月) 出版物(論文)"Scientific Selves and Pluripotent Cells in South Korea and Japan" in Global Perspectives on Stem Cell Technologies (Palgrave Mcmillan, 2018) フランシス・ベイコンの思想は自然科学との関係が強調されがちであるが、「宗教」との関係に着目することによって、より忠実に彼の思想が物語る西欧独特の思想潮流や伝統を汲み取ることができたと考える。ベイコンの思想は、17世紀以降に西欧において興隆した「自然科学」の発展に寄与したと認められている。本研究を通して、彼によって編み出された自然探求に関する思想は、宗教改革を経た世界においてこそ育まれたものであることが明らかになった。彼の思想が後世においても広く受け入れられた理由の一つに、「希望」への訴えがある。この「希望」への固執がいかに育まれたかについて、平成29年度は研究を進めた。この研究については平成30年度に発表される予定である。
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