研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、これまでに行ってきた研究の成果を論文にまとめ発表することに注力した。成果は大きく分けて3つあり、1.超新星ショックブレイクアウトの2次元輻射流体シミュレーション、2.低光度ガンマ線バーストの光度曲線モデル、3.中心エンジン駆動超新星の多次元モデル、である。まず、超新星ショックブレイクアウトとは、重力崩壊型超新星の最初期に付随する明るいUV/X線バーストである。この現象は大質量星の鉄コアが崩壊することで発生した衝撃波が星表面を突き抜けることで起こる。これまでの超新星ショックブレイクアウトに関する理論研究は球対称1次元を仮定したものがほとんどであったが、本研究により初めてショックブレイクアウト時の2次元シミュレーションが行われ、球対称モデルとの比較がなされた。その結果、多次元効果はショックブレイクアウト放射を暗く、長くする可能性があることが分かった。また、低光度ガンマ線バーストは、ガンマ線バーストの中でも暗いものである。一つの有望なシナリオとして、厚い星周物質で囲まれた大質量星が爆発した際に、相対論的な速度で伝搬する衝撃波が星周物質からブレイクアウトすることでX線やガンマ線を放射するというものがある。このシナリオに基づいて、超新星エジェクタによって駆動され、星周物質中を伝搬する衝撃波の運動を記述する準解析的モデルを構築し、光度曲線を計算した。その結果、このモデルで知られている低光度ガンマ線バースト(GRB 060218)の光度変化がよく説明できることが分かった。最後に、超高輝度超新星を説明するシナリオとして、何らかの中心エンジンが超新星エジェクタを明るく光らせるというものがある。このシナリオに関して、2次元の相対論的流体シミュレーションを行い、その結果、中心エンジンからのエネルギー注入による超新星エジェクタ内での物質混合が非常に重要な役割を果たす可能性を指摘した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Astrophysical Journal
巻: 834 号: 1 ページ: 32-32
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