研究実績の概要 |
非分割財配分問題に関する研究を昨年度に引き続き東京工業大学の坂東桂助助教と共同で行った。この問題は分割出来ない財を金銭の移転なしにどのようにプレイヤーに配分するかという問題である。この分野ではDAアルゴリズムが重要な役割を果たしてきたが、この配分ルールはパレート効率的ではない。Abdulkadiroglu, Pathak and Roth (2009)はDA アルゴリズムをパレート効率性の意味で改善する配分ルールは耐戦略性を満たさないことを示した。耐戦略性とはプレイヤーにとって真の選好表明を促す条件であり、DAアルゴリズムがみたす重要な条件である。私達の研究ではこの結果をBando and Imamura(2014)の結果をもとに拡張した。具体的には、耐戦略性及びnon wastefulness をみたす配分ルールをパレート効率性の意味で改善するような配分ルールは耐戦略性を満たさないことを示した。
参考文献 1. Abdulkadiroglu, A., Pathak, P. A., Roth, A. E. 2009. Strategy-proofness versus efficiency in matching with indifferences: redesigning the New York City high school match, American Economic Review 99, 1954-1978 2. Bando, K., Imamura K,. 2014 A necessary and sufficient condition for weak Maskin monotonicity in an allocation problem with indivisible goods, 東京工業大学社会工学専攻ディスカッションペーパー
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