研究課題
特別研究員奨励費
2014年3月から、すばる望遠鏡超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(HSC)による大規模銀河サーベイが始まった。昨年度に引き続き高精度弱重力レンズ効果測定法の開発を進めた。具体的には、銀河の周りの弱重力レンズ信号を計算し、過去の観測の結果と一致することを確かめるなどの研究を行った。HSCサーベイとAtacama Cosmology Telecsope(ACT)サーベイのデータを組み合わせて、銀河団計数から宇宙論パラメータを制限する研究の準備として、Canada-France-Hawaii-Telecope CS82サーベイとACTサーベイを組み合わせ、弱重力レンズ効果を用いて銀河団の質量を較正する研究を行った。今年度は新たに銀河団のアセンブリ・バイアスの研究を行った。銀河・銀河団は暗黒物質の分布のうち、重力崩壊によって形成されたハローの中に棲んでいる。よって銀河・銀河団の分布は暗黒物質の分布をバイアスして反映している。両者の分布の関係は、従来はハローの質量のみに依存すると考えられてきたが、理論的もしくは数値的な研究によってハローの他の性質にも依存することが指摘されてきた。これをアセンブリ・バイアスという。今回の研究では、Sloan Digital Sky Surveyの銀河団サンプルを、メンバー銀河の中心集中度によって2つのサンプルに分け、銀河団の弱重力レンズ効果と2点相関関数を組み合わせることで、アセンブリ・バイアスを世界で初めて検出した。アセンブリ・バイアスは将来の精密宇宙論の測定において系統誤差となると指摘されており、本研究でアセンブリ・バイアスの理解の第一歩を踏み出したことは大きな意義がある。本研究成果はPhysical Leview Lettersに掲載され、注目論文に選ばれた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 2014 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 4件、 査読あり 10件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件)
Phys. Rev. Letters
巻: 116 号: 4 ページ: 041301-041301
10.1103/physrevlett.116.041301
MNRAS
巻: 457 号: 3 ページ: 2391-2400
10.1093/mnras/stw142
ApJS
巻: 219 号: 1 ページ: 12-12
10.1088/0067-0049/219/1/12
巻: 450 号: 3 ページ: 2963-3007
10.1093/mnras/stv781
The Astrophysical Journal
巻: 印刷中
Astronomy and Computing
巻: 10 ページ: 121150-121150
10.1016/j.ascom.2015.02.002
The Astrophysical Journal Supplement
巻: 221-2 号: 2 ページ: 16-16
10.1088/0067-0049/211/2/17
Journal of Instrumentation
巻: 9-4 号: 04 ページ: C04031-C04031
10.1088/1748-0221/9/04/c04031
巻: 212-1 号: 1 ページ: 28-28
10.1088/0067-0049/212/1/5