研究課題
特別研究員奨励費
mm / submm 波帯ヘテロダイン受信機において、両側波帯を分離する手法として従来用いられてきた 2SB-SIS-Mixer 方式では2つのほぼ同じ特性を持った SIS-Mixer の出力をバランスさせる必要があり、開発・運用にある種の困難さが有り、周波数特性が安定しづらいという問題点があった。そこで本研究では、より開発運用がしやすく、従来よりも一桁以上高い側波帯分離度が安定して得られる「導波管帯域分離フィルターを用いた新 SSB, 2SB-Mixer 方式」の開発を進め、昨年度で申請当初計画していた研究開発事項のほとんどは既に達成されていた。そこで本年度は、これまでの成果をさらに発展させた 109-117 GHz の両円偏波分離・SSB 観測を一つの回路だけで実現可能な「統合型導波管回路」の開発を行い、コンポーネントレベルでこれを達成した。本回路は上記観測を行うために必要となる、100 GHz 帯左右円偏波分離器1つ、新 SSB 方式のための帯域分離フィルター2つ、LO 信号カプラ2つ、SIS-Mixer 入力のための整合回路2つを最適化統合することで、従来のおよそ半分のサイズとなる 24 x 40 x 20mm への小型化、回路長短縮に伴う損失低減、コンポーネント接続を廃した事による反射特性の改善等様々な観点で従来手法よりも優れてたものを開発できた。また、昨年度までは研究成果の論文化について十分取り組むことができていなかったが、本年度は論文化についても十分取り組み、公開済 1本、最終改稿中が一本の計2本の査読論文投稿を行った。また、本成果をもととすることで学位論文を執筆し、学位取得に至った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 3件)
J Infrared Milli Terahz Waves
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