研究課題
特別研究員奨励費
私はREにおけるPSの機能、及びREそのものの機能を更に明らかにするために、REにPSが濃縮しているという性質を利用し、RE局在タンパク質の網羅的同定を試みた。「PSに関与する現象はPSの近傍分子を解析することで明らかになる」と考え、PSプローブであるevectin-2のPHドメインを2つ直列させた2xPHと、近傍分子を非特異的にビオチン化する変異が導入された酵素BirA*(Roux et al. J Cell Biol (2012))をつなげたコンストラクト「BirA*-2xPH」を作製し、エンドソームの可視化に便利なCOS-1細胞で低発現stable株を作製した(以下、B-COS-1と呼ぶ)。B-COS-1の培地にビオチンを添加することで、PS近傍のタンパク質のビオチン化が示唆されたので、質量分析を用いてPS近傍のタンパク質の網羅的な同定を試みた。その結果、過去にRE局在が報告されている分子に加えて、REとの関与が示されていない分子群が同定された。これら分子群は多細胞生物の組織の大きさを制御するHippo pathwayに関与することが報告されている。特にYAPはHippo pathwayの中核分子であり、転写コアクチベーターとして、細胞密度の低い時に細胞質から核へと移行して、種々の増殖因子の転写を促すことが知られている。YAPのREでの関与をより詳細に明らかにするために、REマーカーであるRab11やVAMP3の発現を抑制したが、YAPの核移行に変化は見られなかった。一方でREに局在しPSに関与する分子であるATP8A1やevectin-2の発現を抑制したところ、YAPの核移行が抑制され、下流転写産物であるCTGFのmRNA量が減少した。現在、実験結果を論文にまとめ、Nature Communicationに論文を投稿中であり、改訂実験を行っている。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件)
The EMBO Journal
巻: 34 号: 5 ページ: 669-688
10.15252/embj.201489703
J Cell Sci.
巻: 128 ページ: 3131-3142
10.1242/jcs.172171