研究課題/領域番号 |
14J30009
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 聖司 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (70757301)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2015年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2015年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2014年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 排出ポンプ / 多剤耐性菌 / 大腸菌 / AcrB / トランスポーター / 感染症 / 薬剤耐性 / バイオフィルム |
研究実績の概要 |
一部の菌株は固体・生体表面に付着後、強固なバイオフィルムを形成する。バイオフィルムは宿主免疫回避・抗菌薬浸透阻害に役立ち、細菌の自然抵抗性を大幅に上昇させる。臨床現場では、カテーテルに定着したバイオフィルム産生菌による院内感染や、薬物療法が困難な歯周病・齲蝕が大きな問題となっている。近年、同じく自然抵抗性に寄与する薬剤排出ポンプとバイオフィルムの関係性についての研究が盛んに行われているが、研究グループごとに主張が異なり、議論が紛糾している。そこで、これまでに検討されていない経時的なデータ収集と解析を行い、バイオフィルム形成における薬剤排出ポンプの役割を明確にすることで、議論の終結を目指した。 大腸菌バイオフィルム産生株TG1を用いて各薬剤排出ポンプ欠損株を構築した。24時間培養後、全株が正常に生育していたものの、バイオフィルムをcrystal violet で染色し測定した結果、acrABmdtABC欠損株のみ値が著しく小さかった。acrAB欠損株・mdtABC欠損株は正常なバイオフィルムを形成することも確認した。そこで、両ポンプがバイオフィルム形成のどの過程に関与するのか調べるため、経時的観測を行った。acrABmdtABC欠損株のバイオフィルムは、4時間培養時点では十分量存在していたにも関わらず、その後時間依存的に減少し、24時間培養時点ではほとんど消失していた。 これらの結果より、AcrABおよびMdtABCは、バイオフィルムの初期の産生過程ではなく、その維持に寄与していることが明らかとなった。両ポンプは、バイオフィルム維持に関わるシグナル物質を排出していると考えている。薬剤排出ポンプとバイオフィルムの関係性に関する研究においては、経時的観測が特に重要であることを示した本論文は、Int. J. Antimicrob. Agents誌に採択・掲載された。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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