配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2014年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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研究実績の概要 |
本研究は、2013年に発見されたばかりで分子メカニズムは不明な点が多い、新規光駆動ナトリウムポンプのイオン識別機構を明らかにしようとしている。 (1)分子レベルでの解析:BRにおいて機能に重要なD85とD96が、KR2ではそれぞれN112、Q123という特異的な配列になっている。2015年に解かれたKR2の結晶構造より、我々はD116の配向が変化し、Na+の輸送経路を形成するフリップモデルを提唱した。モデルにおいて重要なN112に着目し、19種の変異体を作製、ポンプ活性を測定した。19種はWTと同様のNa+/H+ハイブリッドポンプ(N112D,G,S,T)、H+ポンプ(N112A,C,P,V,E,Q,I,L,M,F,W)、ポンプ機能なし(N112H,K,Y,R)の3グループに分けられた。N112はNa+とH+のイオン選択性やポンプ機能そのものに、重要な役割を担っていることが明らかとなった。 (2)細胞レベルでの解析:KR2の保持菌Krokinobacter eikastusの近縁種Nonlabens dokdonesis DSW-6はProteorhodopsin(PR)とNaRの二つのロドプシン遺伝子を有している。ポンプ活性を測定すると、光駆動H+ポンプ活性が検出され、その活性は生育時期によって変化していた。この変化がPRの発現量やPR分子における比活性によるのかを明らかにするため、PRの発現量と光反応サイクルを測定したところ、どちらも生育時期に依存せず一定であった。これは、PRがN. dokdonesis DSW-6において恒常的に発現し、一定の活性を保持することを示している。一方で、N. dokdonesis DSW-6細胞全体における光駆動H+ポンプ活性が変化することは、PR分子と共役して働く他のtransporterがある可能性が考えらえる。
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