研究分担者 |
柳原 美廣 (柳原 美広) 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40174552)
羽多野 忠 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90302223)
江島 丈雄 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80261478)
津留 俊英 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30306526)
豊田 光紀 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (40375168)
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配分額 *注記 |
379,600千円 (直接経費: 292,000千円、間接経費: 87,600千円)
2007年度: 22,100千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 5,100千円)
2006年度: 158,600千円 (直接経費: 122,000千円、間接経費: 36,600千円)
2005年度: 37,700千円 (直接経費: 29,000千円、間接経費: 8,700千円)
2004年度: 87,100千円 (直接経費: 67,000千円、間接経費: 20,100千円)
2003年度: 74,100千円 (直接経費: 57,000千円、間接経費: 17,100千円)
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研究概要 |
本研究では,波長30nmから3nm程度の軟X線を用いて,有機・無機から成る多元物質や磁性材料,生体試料などの全ての物質に対して分解能50nmの元素コントラスト画像が得られるSchwarzschild軟X線顕微鏡を,実験室で使用できる簡便な装置として開発する.このために,分解能達成の要である軟X線用の特殊多層膜による超精密結像ミラーを軟X線光工学技術開発によって実用化するとともに,レーザープラズマ軟X線パルス実験室光源,軟X線多層膜ミラー光学系,アライメント光学系,検出系を開発して実用実証機として仕上げる. 本最終年度では,波長13.5nmでの各種直入射光学系に要求される超精密結像ミラーの製作・評価技術を完成し,更に高レベルの炭素の窓の波長4.5nm用技術の見通しを得た.具体的には,多層膜成膜の周期膜厚の分布と絶対値の制御を凹面および凸面基板上で0.1%精度で行う手法を開発確立できた.さらに,ミラーの軟X線波面誤差の精密干渉計測技術開発,新しい原理に基づくミラー波面誤差の精密補正技術開発に取り組み,必要な計測および評価装置を開発した.今後,これらを統合した軟X線多層膜光工学の確立を目指す. 特筆すべき成果は,開発した製作・評価技術を用いて直入射4枚ミラー光学系で設計理想値の80%のスループットを得て,明るい顕微鏡を完成し,<1パルス撮像に成功した>点にある. 50倍の光学系で, X線CCD検出器のピクセルサイズによる限界の400nm解像が既に得られており,光学系では目標の分解能50nmを超える30nmに目途が立っている.視野0.2mmで6000×6000の超高解像が見込めることから,待望の生きた生体試料の細胞の内部観察が目前である.微細な粒子観察の課題とされる液中のブラウン運動によるボケも1パルス撮像の実現で解決された.視野内の複数のイベントを瞬時に高密度記録し,必要な部分を必要な解像度に拡大して十分時間をかけて解析するという全く新しい方式の究極解像度の光学顕微鏡を開発できた.
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