研究課題/領域番号 |
15011207
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
嶋田 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20202111)
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研究分担者 |
鈴木 雅京 独立行政法人, 理化学研究所・分子昆虫学研究室, 研究員 (30360572)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2003年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 完全長cDNA / クチクラタンパク質 / 翅原基 / 遺伝子ファミリー / mRNAアイソフォーム / DNAマイクロアレイ / 胚休眠 / チトクローム酸化酵素 |
研究概要 |
現在、全ゲノムショットガン解析等によってカイコゲノムの塩基配列の大半が解読されようとしている。しかし、カイコの遺伝子は一般的にイントロンやUTRが長大で、それらの中に反復配列が挿入されていることが多い。そのため、遺伝子の同定を進めるには、完全長cDNAの塩基配列と照合することが不可欠である。そこで、カイコ翅原基および培養細胞BmNを用いて、それぞれオリゴキャップ法により完全長cDNAライブラリーを構築し、各々約12,000クローンの5'および3'末端の塩基配列を解読した。得られた配列をデータベース化した結果、約90%のクローンが完全長のORFを含むcDNAであると推定された。翅原基のライブラリーから10個の新規なクチクラタンパク質遺伝子が発見され、その一部はカイコ特有のサブファミリーを形成した。また、翅原基および培養細胞のcDNAから、BmUSPに5種類のmRNAアイソフォームが存在することが判明するなど多くの情報が得られた。 カイコの休眠卵では、胚子が嚢胚期に細胞分裂を停止して胚休眠に入る。カイコの休眠には、母親から受け取る休眠ホルモンが必要であることが知られているが、休眠ホルモンの受容から胚子の細胞分裂の停止に至る分子機構は未解明である。休眠卵・非休眠卵からそれぞれ全RNAを抽出し、逆転写およびCy3/Cy5による標識ののち、約6,000種類のcDNA断片が搭載されているcDNAマイクロアレイとハイブリダイゼーションさせた。産卵後18時間および24時間について、休眠卵/非休眠卵間の比較をおこなったところ、RNA蓄積量が異なる遺伝子が複数検出された。すなわち、チトクロム酸化酵素のmRNAは非休眠に多く、アクチン重合阻害因子のmRNAは休眠卵で多かった。これらの結果は、胚休眠の分子機構解析の端緒となる可能性がある。
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