研究課題/領域番号 |
15011220
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 久美 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (90210690)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | アントシアニン / 花色発現機構 / 一細胞科学 / Hydrangea macrophylla / 細胞内微小pH電極 / 液胞pH / ミクロHPLC / アルミニウム |
研究概要 |
花色素アントシアニンは、その発色が微妙にかつ多彩に変化することに最大の特徴を持つ。色の変異は、pHの変化、金属イオンとの錯体形成、助色素の存在などによって大きく影響を受ける。アジサイの花色は、環境変化や時間の経過により容易に変わる。紫色のアジサイでは、隣り合った細胞一つ一つの色合いが異なりモザイク状を呈し、また、同じ層でも無色と有色の細胞が混じりあっている。即ち、アジサイでは同じゲノムを持ちながら環境あるいは何らかの刺激に対して個々に応答し、表現型である花色が変異する。本研究では、アジサイ萼片の一つ一つの細胞内で何が起きているのか、どんな分子がどのように認職しあって分子集合体色素を形成するのか、それは、いかなる細胞生理的要因に基づくのか、その結果、同一成分から精緻な分子制御によりどれほど多彩な色が発色するのかのシステムの解明を目指した。 青色品種と赤色品種のアジサイ萼片をそれぞれプロトプラスト化し、顕微分光分析により着色細胞の吸収スペクトルを測定後、その液胞pHを細胞内微小電極法で直接測定した。吸収極大を590nm付近に持つ青色細胞の液胞pHは4.1、吸収極大が540mm付近の赤色細胞は3.3で、青色細胞が有意に高いことがわかった。さらに、同色の細胞を集め、有機成分および無機成分の分析を行なった。.いずれの色の細胞にも、アントシアニンとしては、デルフィニジン3-グルコシドだけが含まれその含有量には差が認められなかった。しかし、助色素のクロロゲン酸、ネオクロロゲン酸および5-p-クマロイルキナ酸の量には違いが認められ、5-アシル化キナ酸が青色細胞で多いことがわかった。
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