研究課題/領域番号 |
15011235
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20223216)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2003年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 神経細胞 / 軸索 / 樹状突起 / 極性 / プロテオーム / 2次元電気泳動法 / 網羅的機能解析 / 機能ゲノミクス |
研究概要 |
神経極性は神経細胞の基本的な形態的・機能的特性である。しかし、神経細胞の極性がいかにして形成されるのか、その分子機構はよく理解されていない。本研究は我々が開発した高解像度2次元電気泳動法を基盤としたプロテオーム解析法を用いて、神経細胞の極性形成を担う分子群を網羅的に同定・解析することを目指している。 これまでの研究で、我々は高解像度2次元電気泳動法を用いて培養海馬神経細胞の軸索に濃縮する200個のタンパク質群と神経極性形成に伴って発現上昇する277個のタンパク質群を検出している。本研究ではこれらのうち、82個の神経軸索に濃縮するタンパク質群を質量分析装置を用いて同定した。その内訳は多い順にタンパク質合成・分解関連分子、細胞骨格・細胞接着関連分子、シグナル関連分子、代謝関連分子、タンパク質・膜輸送関連分子、脂質結合タンパク質、機能未知、その他であった。また、92個の神経極性形成に伴って発現上昇するタンパク質群の同定にも成功した。その内訳は、タンパク質・膜輸送関連分子、タンパク質合成・分解関連分子、シグナル関連分子、細胞骨格・細胞接着関連タンパク質、代謝関連タンパク質、その他・機能未知であり、様々な機能を持つタンパク質群が神経極性の形成・維持に関与する可能性が示唆された。 同定されたタンパク質群の中には興味深いひとつの新規分子が含まれていた。この分子は軸索に濃縮するのみならず神経細胞の極性形成とともに発現量が上昇した。Mycタグを付加した遺伝子を発現させて細胞内局在を調べたところ、神経軸索の先端部の成長円錐に強く濃縮していた。またこの分子の過剰発現により過剰軸索の形成を誘導することがわかった。以上の結果から新規分子は神経極性形成において軸索形成に重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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