研究課題/領域番号 |
15012210
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山崎 力 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60251245)
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研究分担者 |
今井 靖 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20359631)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2003年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | データベース / ABCA1 / Matrix metallvproteinase / インスリン感受性 / アドレナリン受容体 / 予後 / ハプロタイプ |
研究概要 |
高血圧および狭心症・心筋梗塞に代表される虚血性心疾患は食事や喫煙などの生活習慣が発症に大きく寄与するが、環境要因・疾患発症に対する感受性には大きな個人差が存在し、それは遺伝子多型により規定されると考えられる。本研究では疾患発症及び治療反応性に関連した遺伝素因を明らかにすることを目的とした。遺伝子多型研究を行うにあたり必須の臨床情報について当院における年間約1400例の循環器入院症例のあらゆる臨床情報を網羅的にデータベース化しすでに3000例を超える症例情報が集積した。その臨床情報および合意の得られた患者から得た遺伝子検体を用いて解析を行い以下の結果を得た。 (1)血管リモデリングに関与することが知られるMMP1(1G/2G多型)、MMP3(5A/6A多型)のプロモーター多型が互いに強く連鎖し、そのハプロタイプ(MMP1 1G-MMP3 5A)が心筋梗塞発症に関わる強力な遺伝的マーカーであることを明らかにした。 (2)HDLコレステロール生成に関与するABCA1,の遺伝子多型に着目、Ile823Met」Arg291Lysの2つのエクソン領域の多型を解析したところ、両者に連鎖はなく、前者の遺伝子多型が日本人においてHDLコレステロール濃度の遺伝学的規定因子であることが明らかとなった。 (3)インスリン感受性を規定する数種類のアディポサイトカインの遺伝子多型を解析し、高血圧、糖尿病、肥満といったマルチプルリスクファクターを介して冠動脈疾患発症に関連する遺伝子多型の選出に成功した。 (4)アドレナリンβ2受容体多型が心筋梗塞発症に関連することが示された。 現在すでに疾患との関連性が認められた遺伝子多型についてはその部位の近傍の遺伝子多型を検索し連鎖不平衡について検討、ハプロタイプを構築し心血管病の予知に有用なマーカーたりえるのかを再度検証中である。また予後(心血管イベントなど)、薬剤反応性についてのデータも約4年の経過観察の過程で集積したためそれらとの関連研究を現在進めている。
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