研究課題/領域番号 |
15012212
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 誠司 東京大学, 医学部附属病院・客員助教授(常勤形態) (60292900)
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研究分担者 |
神田 善伸 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30334379)
黒川 峰夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80312320)
千葉 滋 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60212049)
伊豆津 宏二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30361471)
熊野 恵城 東京大学, 医学部附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2003年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | アレイCGH / 造血器腫瘍 / 染色体 / ゲノム / 欠損 / 増幅 |
研究概要 |
造血器腫瘍の発症に関与する染色体異常のうち、転座型の染色体異常については、その転座切断点の解析から白血病やリンパ腫の発症に関与する多数の遺伝子が同定され、腫瘍の発症における機能的意義が検討されてきた。しかし、del(5q),del(q6),del(7q),del(9q),del(12p)等、造血器腫瘍に同様にしばしば観察され、また腫瘍の予後とも強い相関を示す欠失型の染色体異常における責任遺伝子に関しては、ほとんど解明されていない。本研究の目的は、近年開発されたアレイCGH技術を用いて、これら欠失型の遺伝子異常を中心としたゲノム異常を網羅的かつ詳細に検討することにより、造血器腫瘍の新たな責任遺伝子の同定を行うことである。アレイCGHにおいては、標的となる多数のプローブDNAを安定した品質で調整することが極めて重要である。数千個のPAC/BAC DNAから、十分量のDNAを大量調整するためには、PCRによる増幅が不可欠であるが、我々は複数のdegenerated primerを用いたDOP-PCR法により、十分なcomplexityを有するプローブDNAを増幅する方法を確立した。続いて、同増幅法を用いて約3600個のPAC/BACクローンを搭載することによりヒト全ゲノムを〜1Mの解像度で解析可能なHuman 1Mアレイを作成し、これを用いて10例の造血器腫瘍細胞株および造血器腫瘍患者検体の解析を行った。作成したアレイCGHの性能評価では、染色体分析により検出される大きな欠失・増幅のみならず、〜10Mb程度の比較的狭い領域の欠失や増幅に関しても再現性よく検出することが可能であった。また、複数の腫瘍検体に共通して増幅・欠失を認める領域も同定されており、今後多数の腫瘍検体の解析を行い、高頻度に欠失・増幅を示す最小のゲノム領域を同定することにより、造血器腫瘍の新規標的遺伝子の同定を目指す。さらに、搭載クローン数を32000個まで増やすことにより、全ゲノムを間断なく評価可能なアレイの作成を目指す。
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