研究概要 |
SAMP6の3つの低骨量原因遺伝子(Pbd1,Pbd2,Pbd3)の同定と機能解析を行うため、SAMP6とSAMP2による第11,13,X染色体3領域のcongenicマウス作成が終了し、骨量決定遺伝子の効果を確認し,機能解析を行った。 第11染色体(Pbd1)に関してはsub-congenic系統の解析により、12cM(9Mbp)まで領域を絞り込んだ。更なる領域の絞り込みを目指してsub-subcongenic 10系統を作製中である。マイクロアレイ解析、sub-congenicマウスの解析、SAMP6、SAMP2及び他のマウス系統のSNP解析により、第11番染色体上の1つの候補遺伝子を同定(Ifp35)した。Ifp35の骨量調節機能解析のため、SAMP6と同じhaplotypeであるC57/BLをベースにしたtransgenic mouseが完成し、現在骨密度測定中である。 第13番染色体(Pbd2)に関しては、sub-congenic5系統を用いて絞り込んだPbd2の存在領域内127遺伝子の全エクソンの塩基配列解析を行い、約2cMの領域に74個の候補遺伝子が存在することを示した。この内、アミノ酸置換を生じるSNPsが15遺伝子で発見された。現在、sub-subcongenic系統を3系統作製中であり、更なる領域の絞り込みを行っている。また、congenic mouseを用いて上記遺伝子の発現量を調査している。 X染色体(Pbd3)に関してはSAMP2にSAMP6のPdb3を導入したcongenic系統は退行期での骨密度減少が抑制された。さらにこのcongenic系統の骨吸収マーカーは低く、low turnoverであることが示唆され、Pbd3は退行期のbone turnoverを制御している遺伝子である可能性が示唆された。
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