研究課題/領域番号 |
15012244
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80178003)
|
研究期間 (年度) |
2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2003年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
|
キーワード | 21番染色体 / 躁鬱病 / 双極性障害 / TRPM2 / 線条体 / 22番染色体 / GRK3 / 多型 |
研究概要 |
我々が以前に発見した脳に多く発現する新しいタイプのカルシウムチャネルTRPM2/TRPC7は、機能的、位置的に有力な双極性障害の候補遺伝子であったが、最近、双極性障害患者由来のBリンパ芽球細胞株の一群でそのmRNA量の有意な低下が報告されたため、この遺伝子の転写調節領域の構造と双極性障害との関連を解析するために、遺伝子構造の正確な決定が必要となった。このため、脳のmRNAを用いた5' RACEを徹底的に行い、従来知られていた第1エキソンとは全く異なる位置に真の転写開始領域を発見した。さらに脳の線条体(被殻、尾状核)に特異的に発現する第2のプロモーターを遺伝子内に発見した。後者からのmRNAは、これまでに報告されていない線条体に特異的な短型蛋白をコードしており、この短型蛋白もカルシウムチャネルとして機能することを確かめた。さらに新しく発見した転写調節領域において多型の有無を検討し、これまでに報告のない多型を発見した。現在、双極性障害との関連を検討中である。 これまでに複数の染色体領域に双極性障害の疾患感受性遺伝子の存在が示唆されてきたが、平成15年度には、22q12のGRK3 (G protein receptor kinase 3)遺伝子のプロモーター領域について北欧の双極性障害家系において疾患との関連が示唆される有力な多型が報告されたので、同遺伝子の多型と本邦における双極性障害の発症との関連を検討した。その結果、疾患との関連が示唆された多型は、本邦においては、患者群、正常対照群のいずれにおいても見いだされなかった。また、その他の多型についても、本邦における双極性障害の発症への関連は、見いだされなかった。
|