研究課題/領域番号 |
15012246
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
奥井 理予 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20327654)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2003年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 一本鎖抗体 / 抗体ライブラリ / ヒト型 / 人工抗体 / 整列化 |
研究概要 |
本研究の目的は、すでに所属研究室で独自に作製したヒト型一本鎖抗体ライブラリを用い、多数の抗原ペプチドに対するアフィニティーの高い抗体を単離し整列化する方法論を確立することである。具体的には、ビーズ上に8,000種のペプチドが結合した抗原ペプチドライブラリを作製し、我々が独自に作製した10^<11>以上という膨大なレパートリーを有する抗体ライブラリを用いてスクリーニングを行っている。最終的にはファージ抗体と抗原ペプチドの配列を対応させたデータベース化を目指している。これにより、抗原のスクリーニングが容易になるだけなく、各種特異抗体のスクリーニングも不要になる可能性もあると考えている。 今年度は、多数の抗原に対する抗体ファージを網羅的に短期間でスクリーニングするシステムの改良を行った。培養温度や発現誘導条件、菌株、ブロッキング剤などのスクリーニング諸条件を検討し、効率的なスクリーニング法を確立した。 またビーズ上のペプチドに結合するファージ抗体を単離し、それぞれの抗体遺伝子配列を確認するとともに、ファージ抗体を整列化するための条件検討を行っている。この結果、一本鎖抗体の精製をハイスループットで行うために、精製用タグの改良が必要であると判断した。現在、新しい抗体ライブラリの作製を計画中である。我々の抗体ライブラリは短期間(2〜3週間)で作製できるため、ライブラリの改良が容易であるという点で非常に有利である。今後、このシステムを発展させ、整列化抗体による網羅的解析を行うためのシステムを構築する予定である。 これまでに抗体の整列化に関する報告はほとんどないことから、本研究の成果は疾患の診断や治療に役立つ抗体を迅速かつ大量に得られる有用な手段となるであろう。また、機能ゲノム解析の一環としてのタンパク質大規模研究(プロテオミクス)にも大いに貢献できるものと期待される。
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