研究課題/領域番号 |
15013201
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
姫野 俵太 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (80208785)
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研究分担者 |
武藤 あきら 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80034635)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2003年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | tmRNA / トランストランスレーション / TreP / カタボライト抑制 / CcpA / Cre配列 / PerR / MetE |
研究概要 |
トランストランスレーションは、翻訳が中断したmRNAからtmRNAへとリボソームが翻訳を切替えることで二つの分断された情報から一本のキメラペプチドを作り出す、変則的翻訳である。本研究ではまず、トランストランスレーション産物を特異的に検出、単離するシステムを開発した。この方法を用いてまず、枯草菌のtmRNAが仲介するトランストランスレーションの標的タンパク質が通常の温度(37℃)と高温(50℃)では大きく異なること、また全体として高温のときほど、トランストランスレーションが盛んに起こっていることを明らかにした。次にN末端アミノ酸配列分析により、それぞれの温度における標的タンパク質のうちのいくつかを同定した。それらの中にはストレス応答遺伝子産物(PerR)、カタボライト抑制を受ける遺伝子産物(TreP)など興味深いものが含まれていた。TrePのトランストランスレーション産物は、プロテアーゼで消化した後、MALDI TOF MASを用いてアミノ酸配列を解析し、TrePからタグペプチドへの切り替え位置を調べた。その結果、切り替えはTrePの内部に存在するCre配列(カタボライト抑制に関わるリプレッサータンパク質CcpAの認識配列)のすぐ上流から起こっていることが明らかになった。CcpAの欠損株を作成したところ、そこではTrePのトランストランスレーション産物も消失していた。CcpA欠損株においては、TreP以外のトランストランスレーション産物の多くが消失していた。以上のように、トランストランスレーション反応がCcpAを介したカタボライト抑制全般に関与する可能性が示唆された。 一方、大腸菌のトランストランスレーションの標的タンパク質ついてもそのいくつかを明らかにすることができた。その中で、現在MetEについてトランストランスレーション反応産物の詳しい解析を行っているところである。
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