2002年に解読公開された本原虫の全ゲノム塩基配列を基礎データとして、全長cDNAライブラリーの解析データを活用し、さらにChIP(chromatin immunoprrecipitation)法を用いて転写因子と結合塩基配列の同定を目指した。 1)ネズミマラリア原虫Plasmodium yoelii yoleiiをネズミに体内で増殖させoligo-cap法により全長cDNAライブラリを作成、約1方クローンのシークエンスを決定した。培養原虫を材料として作成した熱帯熱マラリア原虫のライブラリと比較して全長率の高い高品質のライブラリが作成できた。 2)ネズミマラリア原虫の5xドラフトゲノムシークエンスをBLASTPを用いて、熱帯熱マラリア原虫の全ゲノム塩基配列を比較した結果、多数のconitgがノム上にマップされた。 3)ネズミマラリア原虫の全長cDNAライブラリの5'端塩基配列を上記contig上にマップした。その結果は、ホームページ上に公開した。(http://fullmal.ims.u-tokyo.ac.jp) 4)TBPのペプチド抗体については、頻回の免疫にも関わらず抗体価が上昇しないため、長さの長いペプチドを再合成し6ヶ月間免疫を継続することでようやく特異性の高い抗体を作成することができた。現在、ChiPの条件について検討中である。 国内外の成果の位置づけ マラリア原虫の転写開始点の情報としては、世界に唯一のものであり、国際的にも評価を受けている。全長クローンについては研究のリソースとして国内外からの供与の依頼に応じている。
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