研究課題
特定領域研究
本研究では大腸菌をモデルとして、全2成分制御系が関わる細胞機能の全体像を解析した。まず、全2成分制御系を網羅する36株の単独欠失変異株を作製し、遺伝学的解析に加えマイクロアレイ解析、SELEX法を用いた解析などを行った。その結果、各2成分制御系により制御される遺伝子群(レギュロン)の同定とレスポンスレギュレーターの認識配列の同定ならびに推定が進んだ。さらに、大腸菌に存在する2成分制御系のほぼ全てに関して、感知するストレスシグナルの同定が進み、それらは代謝シグナル応答(炭素、窒素、呼吸関連化合物など)とイオン/金属ストレス応答(Fe, Cu, Mg, Zn, K, Pなど)ならびに多面的ストレス応答(細胞表層ストレス、酸化ストレス、浸透圧ストレスなど)に大別できることを示した。また、2成分制御系は単独で機能するのみならず、互いに影響しあいながらネットワークを形成している可能性が示唆された。上記解析ならびにこれまでの解析から存在が示唆された2成分制御系間のクロストークに関して、精製タンパク質を用いた網羅的リン酸化反応を行い、非ペアのヒスチジンキナーゼとレスポンスレギュレーター間にクロストークを見いだした。さらに、ヒスチジンキナーゼの自己リン酸化、ヒスチジンキナーゼからレスポンスレギュレーターへのリン酸転移、リン酸化型レスポンスレギュレーターの脱リン酸化の各反応ステップによって、それぞれの2成分制御系が特徴づけられることが明らかとなった。今後は、これらin vitroでの解析成果をin vivoの各2成分制御系の働きとの関連で解析する必要がある。個別の解析では、嫌気状態のセンシングに関わる2成分制御系が鞭毛合成の制御に関与することなどが明らかとなった。本研究の過程で、全2成分制御系遺伝子の欠失株セット、全遺伝子の高発現セット、全タンパク質精製用の発現プラスミドセットと精製タンパク質、大腸菌内two hybrid解析用プラスミドセット、各2成分制御系の活性化状態をモニターするためのレポーター遺伝子セットなどの重要な研究リソースも蓄積した。
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