研究課題/領域番号 |
15013231
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原島 俊 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70116086)
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研究分担者 |
金子 嘉信 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90161182)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2003年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 酵母 / ゲノム / プロテインホスファターゼ / 遺伝子破壊 / 機能重複 / トランスクリプトーム |
研究概要 |
出芽酵母においてプロテインホスファターゼ(PPase)は少なくとも23個存在することが知られている。本研究ではPPaseよる細胞制御機能の全体像を知るため、破壊株が致死でない30株のPPase破壊株について、DNAマイクロアレイ解析を行った。PPaseは、環境変化に応答したシグナル伝達に関与すると言われており、栄養が豊富でストレスがかからない環境条件下では機能していないと考えられている。まず、このことが正しいかどうかを検討するため、30℃、栄養培地において培養した各PPase遺伝子破壊株の発現プロファイルを取得し、解析を行った。その結果、それぞれのPPase遺伝子破壊株で発現変化を示す遺伝子が、これまでそれらのPPaseの下流にあることが知られていなかった転写因子を含め30〜50個あることがわかった。次に、それぞれのPPase遺伝子破壊株の破壊株の発現プロファイルの類似度をピアソン相関係数を指標にして解析した。その結果、PPaseの構造類似性と発現プロファイルの類似性とは必ずしも相関しないことがわかった。次に、30株のPPase破壊株の発現プロファイルと、機能が既知である316個の遺伝子の破壊株の発現プロファイルとの相関をピアソン相関係数を指標に解析した。その結果、27個のPPase破壊株において、1〜58個の機能既知遺伝子の破壊株と、402通りの正または負の相関が認められた。これらの情報に基づいて、PPase破壊株の表現型を推測し、これらを実験的に検証することによって、これまでに知られていないPPaseの新しい機能を見つけることができた。またPPase遺伝子破壊株の中には、Δpph21pph22、Δppz1ppz2、Δmsg5ptc2、Δmsg5ptp2破壊株のように、二重破壊株においてのみ表現型を示す組合わせがあるが、それらのPPase二重破壊株の発現プロファイルと単独破壊株の発現プロファイルとを比較解析したところ、全く異なる発現プロファイルであることがわかった。この結果より、それら2つのPPaseは、特定の表現型においてのみ機能重複を示すが野生型株においては異なる働きをしている可能性が示唆された。
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