研究概要 |
1.中枢神経細胞のラフト画分の主要タンパク質であるNAP-22の脂質結合について解析し、20-25番目のアミノ酸残基の欠失がコレステロール結合性に、41-50番目のアミノ酸残基の欠失がプォスプァチジルエタノールアミン結合性に影響することを見い出した。32-40番目のアミノ酸残基の欠失はこれら双方に影響した。 2.可溶性画分のNAP-22結合因子としてSSeCKS, NSF, Rab3A, kinesin HC等、細胞内膜動態に関与する種々の因子を見い出した。 3.ラフト構築因子の相互作用解析にBlue-Native PAGEが有効であることを見い出し、神経細胞、ミエリン膜由来のラフト構築因子の相互作用を解析し、NAP-22がオリゴマーとして存在していること、H^+-ATPaseがラフト局在因子であり、複合体としてBlue-Native PAGEで分離できることを見い出した。 4.カルシウムシグナルに関わるニューロカルシンやアネキシン6がNAP-22と結合することでラフトに局在することを見い出した。この知見はNAP-22を足場とするカルシウムシグナル機構の存在を示唆している。またニューロカルシン結合因子としてCaMKIIを見い出した。 5.初代培養神経細胞の脂質染色とラフト局在因子の染色によりNAP-22の神経突起伸展に伴う局在変化とラフト局在脂質の動態を解析した。 6.脳下垂体の細胞膜ラフトの主要因子としてPOタンパク質を同定し、組織化学により局在を解析した。また脳シナプス部位に局在する新規ラフト因子w同定し解析を進めつつある。
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