研究課題/領域番号 |
15013243
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
西山 佳孝 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 助教授 (30281588)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | シアノバクテリア / 光合成 / 高温適応 / プロテオミクス / DNAマイクロアレイ / 情報伝達系 |
研究概要 |
本研究では、シアノバクテリアを用いて光合成の高温耐性を制御する因子を同定し、その制御因子の遺伝子をもとに穏やかな高温を検知するセンサーとシグナル伝達経路を明らかにすることを目的とした。 平成15年度は、シアノバクテリアSynechocystis sp PCC 6803を用いて光化学系IIの高温耐性を制御する因子を固定することを目的とした。制御因子はチラコイド膜ルーメンに存在することが生化学的解析により明らかになっているため、この分画に局在するすべてのタンパク質をプロテオミクスで解析し、候補となるタンパク質を絞った。具体的には、穏やかな高温(38℃)で培養した細胞からチラコイド膜を単離し、それを低濃度のTriton x-100で膜構造を破り可溶性画分を集めることによってルーメンのタンパク質を得た。コントロールとして、常温(25℃)で培養した細胞から同様の方法でルーメンタンパク質を調製した。ルーメンタンパク質のプロテオミクス解析はイギリス・ダーラム大学のToni Slabas教授と共同して行った。 38℃で培養した細胞から得たルーメンタンパク質と、25℃で培養した細胞から得たルーメンタンパク質を2次元電気泳動に展開して比較したところ、存在量の異なる221個のスポットを統計的に確認することができた。このうち38℃の培養により存在量の増えたスポットが118個、存在量の減ったスポットが103個あった。これらのスポットの同定をMALDI-TOF質量分析機を用いて行った。その結果、現在までに86個のスポットが同定できた。このうち、著しく存在量の増えたタンパク質は、機能未知の2つのタンパク質およびNADHデヒドロゲナーゼサブユニットなどであった。現在、これらの遺伝子の破壊したSynechocystisの変異株を作製し、高温耐性の制御因子の同定を進めている。
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