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ラン藻の環境ストレス適応ネットワークの網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 15013260
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

鈴木 石根  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (10290909)

研究期間 (年度) 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2003年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
キーワードシグナル伝達 / マイクロアレイ / プロテオーム / 植物 / 微生物 / 塩ストレス / リン酸欠乏 / 適合溶質
研究概要

本研究の目的は、ラン藻のゲノム情報を基にして環境センサー・転写因子・環境ストレス応答性遺伝子の機能を統合的に理解することである。本年度は以下に示した成果が得られた。
1.ストレスセンサーのシグナル検知機構に関する研究:低温条件で働くヒスチジンキナーゼHik33のシグナル受容機構を解析するため、このラン藻が持つ4つの脂肪酸不飽和化酵素のうち2つの遺伝子を破壊して1価の不飽和脂肪酸しか持たない株での遺伝子発現をDNAマイクロアレイで解析した。その結果、不飽和化酵素の破壊により膜の流動性を低下させた株では、Hik33により制御を受ける遺伝子群の低温誘導性が著しく増大し、Hik33の機能は膜の流動性と密接に関連していることが示唆された。
2.塩ストレスセンサーの同定:これまでに作製したラン藻Synechocystis sp. PCC 6803の43種のヒスチジンキナーゼの変異株ライブラリーを、高塩濃度条件での遺伝子発現を指標にスクリーニングし、4つの塩ストレス応答性のヒスチジンキナーゼを同定した。このうち2つのヒスチジンキナーゼについては、下流で働くレスポンスレギュレータも見いだした。
3.転写因子と発現制御領域に関する研究:ヒスチジンキナーゼとレスポンスレギュレータの変異株の中から、リン酸欠乏条件での遺伝子発現が異常になった株を見いだした。リン酸欠乏に応答して発現量が顕著に増加する遺伝子群について、それら遺伝子の上流の配列から共通配列を見いだし、その領域にそのレスポンスレギュレータが結合することを示した。
4.高塩濃度誘導性遺伝子の機能に関する研究:このラン藻は高塩濃度あるいは高浸透圧条件で、適合溶質としてグルマシルグリセロール(GG)を合成する。GG合成遺伝子の破壊株は高塩濃度で培養すると、細胞が肥大しやがて溶菌してしまう。このことから、この適合溶質が細胞分裂の装置の機能に必要であることがわかった。

報告書

(1件)
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Inaba M, Suzuki I, Szalontai B, Kanesaki Y, Los DA, Hayashi H, Murata N.: "Gene-engineered rigidification of membrane lipids enhances the cold inducibility of gene expression in Synechocystis."J.Biol.Chem.. 278(14). 12191-12198 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Ferjani A, Mustardy L, Sulpice R, Marin K, Suzuki I, Hagemann M, Murata N.: "Glucosylglycerol, a compatible solute, sustains cell division under salt stress."Plant Physiol.. 131(4). 1628-1637 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Marin K, Suzuki I, Yamaguchi K, Ribbeck K, Yamamoto H, Kanesaki Y, Hagemann M, Murata N.: "Identification of histidine kinases that act as sensors in the perception of salt stress in Synechocystis sp. PCC 6803."Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.. 100(15). 9061-9066 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Suzuki S, Ferjani A, Suzuki I, Murata N.: "The SphS-SphR two-component system is the exclusive sensor for the induction of gene expression in response to phosphate limitation in Synechocystis."J.Biol.Chem.. (In press). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Mikami K, Suzuki I, Murata N.: "Sensors of abiotic stress in Synechocystis."Topics in Current Genetics H.Hirt, K.Shinozaki (Eds.) Plant Responses To Abiotic Stress. Vol.4. 103-119 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2018-03-28  

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