研究課題/領域番号 |
15014206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 真也 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 科学技術振興特任教員 (50273850)
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研究分担者 |
川人 光男 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報研究所, 所長(研究職) (10144445)
前田 彰男 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 科学技術振興特任教員 (30361538)
笹川 覚 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 科学技術振興特任研究員 (80345115)
尾崎 裕一 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 科学技術振興特任研究員 (70345114)
SIVAKUMARAN Sudhir 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 科学技術振興特任研究員(常勤形態) (70361540)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
32,000千円 (直接経費: 32,000千円)
2004年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
2003年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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キーワード | シグナル伝達 / システム生物学 / バイオインフォマティクス / 生体生命情報 |
研究概要 |
細胞の運動や収縮、あるいは神経のシナプス可塑性など、一連の生命現象は、生化学反応ネットワークにより制御されている。しかし、その分子ネットワークは非線形を含んだシステムであり、細分化する実験的手法のみでは全体の挙動を把握することはできない。本研究では、コンピュータシミュレーションモデルとそれを検証する実験的手法を密接にフィードバックさせながら、1)細胞の収縮を制御するミオシン軽鎖のリン酸化の分子ネットワークと、2)シナプス可塑性の一つである小脳のLTD(10ng-term depression)の定量的記述を行った。 1)ミオシン軽鎖のリン酸化についてはシミュレーションモデルと実験を用いて解析した。血管内皮細胞において、トロンビンによるミオシン軽鎖のリン酸化は、初期相と継続相からなる。しかし、シミュレーションでは、初期相は再現できたものの、継続相は再現できなかった。.このことから継続相に必要な未知の経路の存在が示唆され、シミュレーションによりRho-kinaseの下流に存在することを予測した。実験により、その基質であるミオシンボスファターゼのリン酸化を検討し、予想を実証するとともにHysteresisを有することを明らかにした。 2)小脳のLTDについてはスパイクタイミングに依存したCa^<2+>上昇機構のモデルを作成した。その結果、プルキンエ細胞におけるCa^<2+>上昇は、IP_3受容体を介した再生サイクルCa^<2+>-induced Ca^<2+> release(CICR)が本体であること、平行線維(PF)刺激からIP_3産生までの時間遅れが、PFと登上線維(CF)のタイミングの時間窓を決定していることを明らかにした。さらに、このCa^<2+>上昇モデルと小脳LTDの生化学反応モデルを統合したモデルを作成し、小脳LTDは自身が刺激入力に対する可塑性応答のダイナミックレンジをセルフチューニングしている可能性を明らかにした。
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