研究課題/領域番号 |
15014235
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
中原 裕之 独立行政法人理化学研究所, 脳数理研究チーム, 研究員 (10312282)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 転写制御因子 / 情報幾何 / DNAマイクロアレイ / がん / アルツハイマー病 |
研究概要 |
本研究では、「遺伝子相互作用の数理解析と神経系での遺伝子の働き」という題目のもとで、遺伝子相互作用を制御する遺伝子の解析手法の開発を進めると同時に、神経系の遺伝子の働きを実際の実験系に即して、数理的に研究を進めた。 遺伝子の解析手法の開発については、情報幾何を用いたデータ解析の立場からの研究を進めた。情報幾何座標系を使うと、今まで観測不可能だった高次相関を実験データからきちんと定量的に測定できることになる。これにより、一見関連しないかのように見える遺伝子間の相関関係、および、その相関関係に影響を及ぼしている遺伝子を、定量的に評価し、発見することが可能になった。この手法は、特に実験研究において、ターゲットとする遺伝子群を探し出してくるのに有効だと思われる。この手法は、DNAマイクロアレイのデータについて展開されたが、本質的には、この手法は汎用なので、他のプロティンアレイなどにも応用できる。実際、神経細胞の同時記録データにも応用が進んでいる。 神経系の遺伝子の働きについては、本年度は、特に、アルツハイマー病の機序の解明について、実験研究者と議論を行った。その成果を、図書の1章として出版することができた。一方、スパインの可塑性に関しても実験研究者と議論を行った。これにより、問題がかなり明確になると同時に、分子機構によるスパインの形状の制御と可塑性の関係に関する我々の提案を、国際的にも一流の論文誌に発表した。今後は、これらの問題について、数理解析の視点から、問題の本質に迫るモデルの提案を行っていきたいと考えている。
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