研究課題/領域番号 |
15016002
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 利治 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80179233)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2003年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | APP / Alcadein / X11L / アルツハイマー病 / β-アミロイド / 神経変性 / プレセニリン |
研究概要 |
APPはアルツハイマー病発症原因因子とされているβ-アミロイド(Aβ)の前駆体タンパク質である。APPは一回膜貫通型の膜タンパク質であり、APPの細胞内輸送・代謝過程でAβは生成される。AβはAPP細胞外のβ-サイトで切断され、生成したCTFβが続いて膜内でγ-サイトの切断を受けることにより産生する。研究代表者は、APPは神経細胞では細胞質タンパク質であるX11Lを介して、新規膜タンパク質Alcadeinと三量体を形成していることを明らかにした。三量体を形成しているAPPの代謝は安定しておりAβの生成量は抑制されている。この分子機構を明らかにする目的で、細胞に人為的にCTFβを発現させ、X11LおよびAlcadeinがγ-切断を抑制するかどうかを解析した。その結果、X11Lは酵素(γ-セクリターゼの必須構成因子プレセニリン[PS])と基質(CTFβ)の相互作用を阻害し、その結果Aβ生成量が抑制されることを解明した。AlcadeinがX11Lに結合すると、X11LのCYFβへの結合は強まり、PSとCTFβの相互作用は一層強く阻害され、Aβ生成量はさらに低下した。これらの結果は、神経細胞で三量体を形成して代謝的に安定なAPPが、なんらかの理由で三量体が崩壊するとAβの産生が増加する事を示した。AD患者脳の病理標本をAPPおよびAlcadeinの抗体で染色した結果、老人斑周辺の腫大神経突起部にAPPとAlcadeinが蓄積していることが明らかになり、AD発症機構とAlcadeinの関連性を示すことができた。
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