研究課題/領域番号 |
15016027
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
富田 泰輔 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (30292957)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2003年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | 痴呆 / 神経化学 / 脳神経疾患 / 老化 / アルツハイマー / γセクレターゼ |
研究概要 |
アミロイド産生阻害を目的としたアルツハイマー病治療薬開発の上で、γ-セクレターゼによる切断機構の分子レベルでの理解は必須である。これまでの知見からγ-セクレターゼには基質がまず安定に結合する部位が存在し、何らかのメカニズムにより活性中心部位へ基質が遷移し、切断を受けることが示唆されている。したがってγ-セクレターゼの阻害作用点は複数あることが想定され、それらの理解により特異性が高く、副作用の少ない阻害剤の同定・合成が可能になるものと考えられる。そこでγ-セクレターゼ阻害剤であるDAPTによる阻害機構のターゲット分子の同定を試みた。まずDAPTに光親和性標識基であるベンゾフェノンと検出・精製のためのビオチン基を付加したDAP-BpBを作製し、親化合物であるDAPTとほぼ同等の阻害能を持つことを確認した(東大・薬、福山教授・菅助手らとの共同研究)。そこでHeLa細胞由来の可溶性膜画分を利用して光親和性標識を行い、DAP-BpBが活性型γ-セクレターゼ複合体に含まれるPS1 C末端フラグメントを特異的に認識することが明らかとなった。このDAP-BpBによる標識はDAPTと類似した構造を持つジペプチド型阻害剤により競合阻害されたが、活性中心部位に相互作用すると考えられるL-685,458や基質結合部位に相互作用すると考えられるAibペプチドとは競合しなかった。これらのことから、DAPTを含んだジペプチド型阻害剤は、基質がγ-セクレターゼ複合体に結合した後に活性中心へ遷移する過程を特異的に阻害すること、その過程にPS1のC末端フラグメントが関与していることが示唆された。
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