研究課題/領域番号 |
15016090
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
久永 眞市 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20181092)
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研究分担者 |
斎藤 太郎 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (70301413)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2003年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | Cdk5 / p35 / p25 / アルツハイマー病 / カルパイン / タウ / FTDP17 / 神経細胞死 |
研究概要 |
サイクリン依存性キナーゼ5(Cdk5)の異常活性化がアルツハイマー病などの神経疾患における神経細胞死の原因になっている可能性が示唆されている。Cdk5の異常活性化は活性化サブユニットp35のp25へのカルパインによる限定分解であることが示されている。しかし、(1)p35のp25への限定分解制御と(2)Cdk5/p25が神経細胞死を引き起こす仕組みについては、不明な点が多い。本年度は、(1)と(2)のそれぞれについて以下のような研究を行った。 (1)Cdk5活性はp35の蛋白量によって決定されている。p35の量は正常神経細胞ではプロテアソームによる全分解で調節され、病的な神経細胞ではカルパインでp25へと限定分解(活性化)される。両者は相反的な反応で、加齢に伴いカルパインによる限定分解が起こりやすくなっていた。培養神経細胞を用いて、p35の全分解はグルタミン酸のNMDA受容体刺激で促進されること、及びその分解カスケードを明らかにした。その過程で、Cdk5活性は記憶の長期増強(LTP)の閾値を規定(Cdk5活性が強いとLTPが起きにくい)している可能性を示唆した。 (2)p25/Cdk5による神経細胞死の誘導はタウの異常リン酸化を介しているという説が有力である。本年度は、FTDP-17で見られる変異タウのCdk5によるリン酸化を解析した。K257T、P301L、W406Rなどの変異タウをp25/Cdk5、p35/Cdk5、p39/Cdk5によりin vitroでリン酸化したところ、W406Rでリン酸化の変化が見られた。リン酸化パターンの解析から、タウの変異は構造変化も引き起こしているのではないかと推測された。
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