研究課題/領域番号 |
15016102
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
村田 哲 近畿大学, 医学部, 助教授 (60246890)
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研究分担者 |
稲瀬 正彦 近畿大学, 医学部, 教授 (80249961)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2003年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | ミラーニューロン / PF野 / 視覚フィードバック / 自己 / 他者 / 感覚運動制御 / 身体感覚 / ボディ・イメージ |
研究概要 |
サルの腹側運動前野や下頭頂小葉のPF野では、他の個体の手の動作を観察しているときに反応し、またそれと同じ動作を自ら行っているときにも活動するミラーニューロンが記録される。しかし、サルのミラーニューロンがいかなる役割を果たしているのか明らかではない。頭頂葉は、運動による感覚情報のフィードバックや内因的な運動指令をもとに運動をモニターする機能があると考えられるが、この自己の身体感覚に関わるシステムが、ミラーニューロンと回路を共有すると予測する。本研究は、ミラーニューロンが自己の運動のモニター機能にいかに関わっているか検討した。PF野から、手指の運動に関わるニューロン活動を記録し、ミラーニューロンが、自分の手の視覚的フィードバックに反応するかどうか調べた。CCDカメラで、サルの視線で手の運動の映像を撮影し、サルの目の前にあるモニターに映した。サルは、LEDの点滅に従って、モニターの画像を見ながら手を動かして、物体をつかむ課題を訓練された。この課題で、自分の手と物体が見える条件、LEDのみ見える条件、手の動きの画像に遅延を起こす条件を設定した。さらに、自分の手の運動の動画や実験者の手の運動の動画を注視させる課題も設定した。実験は、現在継続中であるが、物体をつかむ自分の手の運動の画像に反応していると思われるニューロンが認められ、一部はミラーニューロンのように他者の手の動作に視覚的に反応していた。また、このようなニューロンは、視覚フィードバックの映像が遅延する場合には、反応が抑制されることが明らかになった。以上のことから、頭頂葉におけるミラーニューロンが、自己の運動をモニターする働きをもち、また、自己と他者の動作をマッチさせる働きがあると考えられる。また、マカクザルの模倣にも関与すると推測される。
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