研究課題/領域番号 |
15016106
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
籾山 俊彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (20230055)
|
研究分担者 |
内田 耕一 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (00176687)
|
研究期間 (年度) |
2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2003年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
|
キーワード | 神経上皮型幹細胞 / 移植 / 線条体 / ドーパミン / シナプス / GFP / ドナー / 宿主 |
研究概要 |
大脳基底核関遅疾患の治療法の一つとして神経細胞移植法が期待されているが、移植による神経回路の再建に関する基礎的知見は少ない。本研究では、妊娠10.5日目のEnhanced GFP遺伝子導入トランスジェニックラットから胎生10.5日目ラットを摘出し、中脳胞部由来神経板組織(神経上皮型幹細胞から構成される)を成熟ラットの線条体内に移植して、移植後2-6週後に形態学的および電気生理学的解析を行なった。ドナー由来の細胞は、GFP陽性細胞として同定できる。 移植4週間後の免疫組織化学的検討により、移植部位内に、神経細胞のマーカーであるHuとGFP共陽性細胞が認められた。また、neurofilament陽性細胞が認められ、移植部位内はsynaptophysinにも染まっており、シナプスの存在が示唆された。さらに、GFP陽性細胞で、幼若な神経細胞のマーカーであるTuJ-1陽性細胞、ドーパミン性細胞のマーカーであるtyrosine hydroxylase陽性細胞、astrocyteのマーカーであるGFAP陽性細胞、神経幹細胞のマーカーであるnestin陽性細胞も認められた。 移植4-6週間後のラット脳スライス標本を用いてGFP陽性細胞からホールセル記録を行なったところ、ドーパミン性細胞を始めとして、電気生理学的にも複数種の神経細胞に分化していることが示唆された。また、移植部位内のGFP陽性細胞からホールセル記録を行ない、移植部位外(宿主側)に電気刺激を与えることにより、GABA性、およびグルタミン酸性のシナプス電流が誘発されたことから、ドナー細胞は宿主細胞から興奮性および抑制性シナプス入力を受けていることが示唆された。 以上の結果により、神経上皮型幹細胞はドナーとして正常脳組織によく生着し、機能的神経細胞に分化して、周囲とのシナプス結合を形成すると考えられる。
|