研究課題/領域番号 |
15016115
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
古川 貴久 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 発生生物学部門, 研究部長 (50260609)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2003年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 中枢神経 / 網膜 / 細胞運命 / 光受容体 / 遺伝子制御 |
研究概要 |
網膜視細胞はその形態的、機能的特異性から多くの研究がなされてきたが、発生・分化のメカニズムについてはまだ十分に解明されていない。視細胞の発生に特異的に関与する遺伝子としてCrxが知られているが、その一方でCrxのノックアウトマウスにおいても視細胞の初期発生がみられることから、他の遺伝子の関与が予想される。今回我々は、Crxと同じOtxファミリーの一員であるOtx2に注目し、解析した。発生期のOtx2の視細胞における発現パターンを解析したところ、Otx2の発現はCrxにやや先行し、部位的にはほぼ重複していることが示された。Otx2のホモ接合ノックアウトマウスは胎生致死のため、Crxプロモーター制御下にCreリコンビナーゼを発現させたトランスジェニックマウスと、Otx2の第1エクソンの上流および下流にloxP配列を挿入した遺伝子操作マウスをかけ合わせることにより、Otx2のコンディショナルノックアウトマウスを作成した。このコンディショナルノックアウトマウスは、生存および繁殖可能であった。網膜および松果体における表現形を解析したところ、網膜では生後9日においても視細胞の発生はみられず、アマクリン細胞の増加がみられた。一方、松果体の発生はみられなかった。続いて、レトロウイルスベクターを用いてOtx2を生後0日の網膜にトランスフェクションし、強制発現実験を行った。細胞系譜解析の結果、ウィルスベクターが感染した細胞のほとんどは視細胞に分化していることが示された。さらに、Crxの発現制御メカニズムを検討するために、Crx上流のプロモーター領域を用いてルシフェラーゼアッセイを行ったところ、Otx2がCrxの発現を制御することが示唆される結果が得られた。これらの結果から、Otx2は視細胞の初期発生において必要かつ十分であり、Crxの上流遺伝子として機能していると考えられた。
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