研究課題/領域番号 |
15017253
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤岡 功 京都大学, 経済学研究科, 教授 (10025190)
|
研究分担者 |
菊谷 達弥 京都大学, 経済学研究科, 助教授 (80183789)
末松 千尋 京都大学, 経済学研究科, 助教授 (80335231)
日置 弘一郎 京都大学, 経済学研究科, 教授 (70114022)
若林 直樹 京都大学, 経済学研究科, 助教授 (80242155)
松井 啓之 京都大学, 経済学研究科, 助教授 (90272682)
|
研究期間 (年度) |
2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2003年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
|
キーワード | ものづくり / 中小製造業 / ネットワーク / コラボレーション / ビジネスモデル / モジュール化 / 擦り合せ |
研究概要 |
本研究では、本格的なデジタルエコノミーの進展にともなう、工場の海外移転の急速な展開と、電子調達による企画部品などの海外調達の広まりの中で、日本の工業集積が直面している産業構造上の危機を、地域の工業集積がその分業構造とネットワーク利用の高度化の中でどのように対応し、どのような新たな産業創成のビジョンを形成しつつあるかについて学際的な研究を行った。 平成15年度においては、消費者と生産者のコラボレーション型の生産がビジネスモデルと成立するかどうか検討、分析するため、諏訪岡谷地区の工業集積企業群の協力を得て、オンラインによるものづくりの実験プロジェクトを実施した。本実験では、京都大学経済学部と岡谷にあるインダストリーネットワーク社をインターネット経由で結び家庭用のPCについて、発想、企画、開発、生産という一連のプロセスを実際に行い、そのプロセスで発生する問題や課題を明確にすることを目的としている。 今後の日本の製造業の対応としてモジュール化の必要性が唱えられているが、本実験から、今回の開発プロセスからPCがモジュール製品からむしろ「擦り合せ」製品に移行していることが示され、デザイン上での差別化だけではなく、静穏性や発熱の問題は、単なるモジュールの組み合わせだけでは解決せず、部品やデザインを総合的に「擦り合せ」ることによってのみ解決が出来る余地が極めて大きい。これは、工業集積に代表される、製造者間の密なコラボレーションの必要性を再度確認させるだけではなく、工業集積の優位性を生かしたコラボレーション型製造の優位性を発揮できる余地はかなり多く存在することを示唆している。さらに、消費者(使い手)と生産者(作り手)が密な関係を有するオンラインものづくりにおいても、この関係は重要であり、オンラインものづくりが製造業のおけるビジネスモデルとしての大きな可能性を示唆している。しかしながら、プロジェクトのマネージメントが困難であるとの問題点も明らかになっている。今後は、それらを踏まえ、マーケティングの領域まで踏み込んだ研究が必要である。
|