研究概要 |
近年,コンポーネントを開発・運用するためのコンポーネントアーキテクチャ体系が成熟しつつあるのに対して,既存のコンポーネントを適切に再利用する仕組み・方法論は未成熟である。従って,コンポーネントの再利用は限定的な種類・利用法に留まってしまっている.我々は,この未成熟の理由を,提供されるコンポーネントの不足,コンポーネントを開発するための技術・ツールの不足,コンポーネントを利用するために技術・ツールの不足と考えている。 このために以下の研究を行った。 (1)作成したコンポーネントの品質を計測する手法 提案しているブラックボックス的品質測定手法に対して,計測値がどのような範囲にあれば良いコンポーネントと言えるか,同じ前提のもとに,他の更により良いメトリクスが存在しないかについて,研究を進めた。 (2)ライブラリからのコンポーネント検索手法 この研究については,コンポーネント検索のアルゴリズムに修正を加えるとともに,ライブラリ内にとどまらず,インターネット上に公開されているさまざまなソフトウェアに対して検索を行い,コンポーネントとして蓄積することを実現した。 (3)ソフトウェアからのコンポーネント切出し手法 既存のソフトウェアの再利用性を上げるために,その中から自動的に,コンポーネントを切り出す手法についての研究を行ってきた。しかし,切り出したコンポーネントをどのように周知し,保守していくのかなど今後拡張すべき点は多く残されており,これらの解決法についての研究を行った。
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