研究課題/領域番号 |
15019010
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 利明 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10280926)
|
研究期間 (年度) |
2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | 遺伝子 / トランスレーショナルリサーチ / バイオテクノロジー / 免疫学 |
研究概要 |
樹状細胞は、T細胞を通じて抗原特異的な免疫反応を引き起こしている抗原提示細胞であるが、樹状細胞を免疫療法に応用するためには、樹状細胞が十分な免疫誘導を果たせるようになんらかの工夫を加える必要がある。そこで本研究では、FKN(fractalkine, CX3CL1)のような、T細胞を呼び寄せるケモカインを樹状細胞内で強発現させると、樹状細胞はT細胞をより効果的に呼び寄せるようになり、樹状細胞の抗原提示能力が増強されるという仮説を立て、その治療免疫への応用を検討した。 まず、発現カセットのプラスミドと、アデノウイルスゲノムDNAのプラスミドを、大腸菌内で相同的に組換えることにより、CMVプロモーター下にFKNを発現する組換えアデノウイルベクター(AdFKN)を作製した。そしてAdFKNが、樹状細胞内でFKNを強発現することを確認した。次に、FKN強発現樹状細胞の抗感染症効果を、マウスレジオネラ肺炎モデルで評価するために、その基礎実験として、レジオネラ菌を取り込んだ樹状細胞の免疫応答を検討した。その結果、熱やホルマリンで不活化したレジオネラ菌により樹状細胞は成熟化し、感染防御として不十分ながらも、宿主内でレジオネラ菌に対し特異的な免疫応答を誘導することが明らかとなった。 以上の研究結果を踏まえ、AdFKNを用いてFKNを樹状細胞に強発現させることが、レジオネラ菌を取り込んだ樹状細胞が引き起こす感染防御的な免疫応答の強化につながるかどうかを、今後検討する必要があると思われる。
|