研究課題/領域番号 |
15019011
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
樗木 俊聡 秋田大学, 医学部, 教授 (50233200)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2003年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 感染症 / 細菌 / 遺伝子 / 免疫学 / 細胞・組織 |
研究概要 |
本研究では、自然免疫系の活性化を介した炎症性疾患の誘導におけるIL-15の役割を明らかにすることを目的とした。特に生体防御反応の1つである肉芽腫形成とエンドトキシンショックを取り上げ、個体レベルでのIL-15の役割の解明を目指した。全身性肉芽腫症の原因菌の1つとされるPropionibacterium acnes (P. acnes)は、野生型マウス肝にマクロファージ・モノサイトを主体とする多くの肉芽腫の形成を誘導するが、興味深いことにIL-15KOマウスにはそれがほとんど観察されなかった。またIL-15KOマウスにP. acnes投与時にIL-15を投与すると、野生型マウスと同等の肉芽腫が形成されるようになった。このことからIL-15がP. acnesによって誘導される肉芽腫形成に必須であることが明らかになり、さらにIL-15がケモカインの生産を調節している可能性が示唆された。そこでモノサイトの走化性因子であるMIP-1α/βやMCP-1の生産を検討したところ、野生型マウスに比べIL-15KOマウスでそれらの生産が著減していた。またIL-15KOマウスにIL-15を投与することによってそれらケモカインの生産が回復した。これらの結果から、IL-15はケモカインの生産を促すことによってP. acnesによる肉芽腫の形成を誘導していることが明らかになった。またP. acnesで感作した野生型マウスにLPSを投与するとエンドトキシンショックにより死亡するが、IL-15は強い抵抗性を示し生存することを見い出した。LPS投与後の血清中の炎症性サイトカインの生産もIL-15KOマウスで野生型マウスの1/10程度にまで低下していた。このことからP. acnesとLPSによるエンドトキシンショックの誘導にIL-15が必須であることが示された。
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