研究課題/領域番号 |
15019014
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
荒瀬 尚 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10261900)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2003年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | PILR / CD200 / NK細胞 / Th2 / 樹状細胞 / 結核菌 / 自然免疫 / 免疫逃避 |
研究概要 |
本研究では、NK細胞等の自然免疫細胞が発現するペア型レセプターによるウィルス感染細胞認識機構を明らかにし、自然免疫細胞による新たなウィルス感染制御機構を解明することを目的に研究を進めた。その結果、新たな活性化ペア型レセプタークローニング方法であるFlag-trap法を用いることにより、新たに、新規CD200レセプターやPILRといった新たな活性化ペア型レセプターをクローニングした。CD200レセプターに関しては、ある種のヘルペスウィルスにそのリガンドが発現していることが明らかになり、実際、ウィルスCD200発現細胞は、NK細胞に抵抗性を示したことから、ウィルスCD200様分子は、ウィルスの持つ免疫逃避機構の一つに関与していると考えられた。また、PILRのリガンドとして新規分子PILR-Lをクローニングした。PILR-Lは、2B4やEL-4といったIL-4産生細胞に高い発現が認められた他、Th2などのT細胞に発現が認められ、T細胞の活性化制御分子として重要であると考えられた。さらに、結核菌のPE-PGRSと約20%の相同性を示したことから、PILRは自然免疫による結核菌の認識にも関与している可能性が考えられた。以上より、本研究により明らかにした新たな活性化ペア型レセプターは、自然免疫による病原体の新たな認識機構に関与していることが考えられた(Shiratori et al.J.Exp.Med.2004)。今後、これらの、新たなレセプターやリガンドのノックアウトマウスを作成することにより、これらの分子、自然免疫における機能がさらに解明されると思われ、ワクチン開発や、感染防御方法の開発に貢献すると思われる。
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